ありえへんバングラデシュ
昨日、日本のテレビでもバングラデシュが30分ほど「ありえへん世界」という事で取り上げられていました。
だんだんと日本のメディアにバングラデシュが取り上げられる事はとても良いのですが、あまりにも「ネガティブイメージ」が取り上げられると、バングラデシュの関連業務に従事する者としてかなり辛いものがあります。
もちろんテレビですのである程度の「演出」というのも分かっています。
これは明らかにバングラデシュで行われるイスラム教の祭典「ビッショ・イステマ」の時期の短距離の鈍足な電車であり、さすがのバングラデシュでも通常、毎日の通勤でこんな状態になる訳ありません。
こんな通勤列車なんて、危なくてたまりません。
しかしこれくらいは、見た目も面白いので取り上げられても構わないと思います。
しかし昨日のテレビでは「街中での警官の威嚇発砲」というのが「バングラデシュでは、よくある事」というニュアンスで放映されました。
バングラデシュは比較的穏健な国なので、このような市民に向けての威嚇発砲などは日常茶飯事ではありません。
実は現在、バングラデシュでは「40年前の戦争犯罪人を死刑にするぞ、いや反対だ」と賛否両論の中、混乱が起こっています。
しかし現在のような状態は、バングラデシュでの普段の状況ではありません。
今、特別このような状態が起こっているという事です。
たぶんテレビ関係者も、そのちょうどその時期に撮影に来られたため「刺激的な画」を得られるタイミングがあったのでしょう。
しかし普段、日本のメディアにさらされる機会の少ないバングラデシュであるからこそ、このようなイメージはとてもネガティブな印象をもたらします。
日本で放映されるバングラデシュの姿も「アジア最貧国」のイメージを最も分かりやすく見せる「ボスティ」と呼ばれるスラム地区の映像が毎回使われます。
たしかにボスティは存在します。
しかしその一方で、伸びゆくバングラデシュが存在しているのも現実です。
ネガティブなイメージだけでなく、「これから伸びゆくバングラデシュも存在する」という事を声高に叫ばせてもらいたいです。