イスラム教最大の祝祭、イードとは?
バングラデシュを含め、世界のイスラム各国では現在イスラム教最大の祝祭である「イード」が開かれています。
今年はイスラム暦1435年目にあたり、バングラデシュでは29日から始まっています。
イードは1年の間に2回行われ、それぞれが「Eid-ul-Fitr(イード・ウル・フィトル)」、「Eid ul-Adha(イード・ウル・アドゥハ)」と名付けられています。
「Eid-ul-Fitr(イード・ウル・フィトル)」が、イスラム暦9月(ラマダン月)の30日間行われる断食から解放される祝祭で日本的に言うと「断食明けの祝祭」。イスラム暦10月1日から祝われます。
「Eid ul-Adha(イード・ウル・アドゥハ)」がイスラム暦12月10日から行われる祝祭であり、イスラム教・キリスト教・ユダヤ教、いわゆる「アブラハムの宗教」と呼ばれる一神教の中に出てくる一つの故事になぞらえ、牛や羊を神様に捧げる祝祭、日本的に言うと「犠牲祭」となります。
見て頂けるようにそれぞれがイスラム暦では決まった日に行われますが、日本が使う太陽暦になぞらえると、どちらも「移動祝日」になります。
この二つが全世界のイスラム教徒にとって最大の祝祭にあたり、この時期のイスラム国家ではどの国に行っても大きな祝祭が開かれているわけです。
ビジネス的に言えば、この2つの祝日は厳密的にいうと3~4日間のものですが、イスラム教の休日である金曜日などに絡ませて、おおよそ1週間ほどお休みになる企業が多いです。
日本の正月、お盆の2つの時期に似ていますね。
ただ大きな違いは、その間が約2か月ほどの短いスパンだという事。
このまえ「イード」だと思ったら、あっという間に「次のイード」が来る、という感覚です。
イスラム教になじみの薄い日本人にとってはなんとも慣れない時間感覚ですが、イスラム国家とお付き合いする場合には頭に入れておいた方が良いでしょう。
どちらにしても今はイスラム世界はどこにいっても祝祭ムード。
しかし今日現在、イスラエル(ユダヤ人:ユダヤ教)ではパレスチナ(アラブ人:イスラム教)自治区に向けて攻撃が続けられています。
イスラム教徒にとっては祝うべき日にこのような状況。
戦時下においては祝祭などは構う所ではないのかもしれませんが、イスラエルが周辺イスラム諸国に受け入れられない感情が、こういったところにもあるのかもしれません。