ダッカ市内における、民間バスの危険運転行為と改善への期待。
先月バングラデシュの首都ダッカでは、市内バスの荒い運転により学生二人が死亡する事故が起こり、それに端を発して学生団体が道路を封鎖し、市内交通環境の改善を訴えました。
現在、ダッカ市内の人口は1000万人を超えると言われていますが、現在まで市内の移動手段に関しては貧弱な状況を続けており、裕福な自動車所有者以外の労働者や学生の交通手段としては主に「バス」が使われています。
その「バス」の運行が、ダッカ市内の危険な交通環境の温床になっている、と言われて久しいです。
現在、日本のODA(政府開発援助)などを原資として、ダッカ市内では高架鉄道工事を行っておりますが完成にはまだ数年かかり、交通危険環境を即効改善する方法としてはあくまで運転手のモラル、に寄るところが多いと言われています。
さて、そのバス運行、ダッカ市内では、市営バスも運営されていますがそれと同様に「民間バス」も、運転ルートを当局に届け出た上で運行しています。
その殆どの運行は、「運転手+車掌」の2マンバスになっており、その多くは「2組のペアが1日のバスを所定の値段で借り上げ、それ以上の売り上げになった場合は、ペアの実入りとなる」という形であり、乗客獲得競争が激しいです。
その結果、ダッカ市内では民間バスの暴走行為が多発し市内の交通危険性を高めています。
先月の学生による道路封鎖はそれなりにインパクトがあり、政府当局も市内交通環境の改善に関して声明を発表しました。
しかしたった1か月経てば、また元通りです。
どうしたら、この状況を改善できるのでしょうか?
・高架鉄道運行に寄る交通インフラの分散化
・徹底した取り締まり
・免許取得制度の正常化
単純ですが、やはりこういった事が実を結ぶことになると思われます。
バングラデシュでも、ダッカは首都としてその経済や政治を担っています。
この街の交通事情改善は、その危険度の低下と共に経済活動の円滑化に影響を及ぼします。
これからのダッカ市の本気の取り組みに是非期待したいものです。