ダッカ市内の移動、そしてUber(ウーバー)について
「バングラデシュが観光に向かない」「移動が大変だ」などと言われる一因に「公共交通の貧弱さ」があげられると思います。
現在、建設計画が進んでいるものの、国の玄関口である国際空港と市内の公共交通機関も、バングラデシュに不慣れな外国人には「皆無」といえる状態です。
空港内から施設外に出るときに「タクシー!タクシー!」と呼びかけるタクシー会社がありますが、基本的にボッタクリ価格(市中までおよそ900タカ前後。さらにエアコン車を要求しても勝手に変えられ、降車時にチップを要求)であり、バングラデシュ来訪後さっそく嫌な気持ちを持つ人も多いです。
かといって空港外に出て、市内へのシャトルバスもありません。
市内へのバスはローカルバス、鉄道はローカル鉄道になり、言葉も通じない方だと市中に出るだけでかなり労力をすり減らします。
知り合いが迎えに来たり、レンタカー契約があれば迎えに来てもらえばそれがベストですが、そうでない場合では何がベストな方法なのか?
単純ですが、それはやはり「宿泊先に迎えに来てもらう」というのが安全で、確実な方法かと思います。
バングラデシュのホテル、特にダッカ市内はそのほとんどのホテルが「送迎サービス」を行っています。
金額も空港ターミナルのタクシーサービスを使うことを考えれば同等でしょう。
バングラデシュに不慣れな方は、是非上記の方法をおすすめします。
さて市中に出てからも「移動」というものは付きまといます。
通称CNGと呼ばれる緑色の三輪タクシーが中距離、そして近距離はバングラデシュ名物「リキシャ」が主な移動手段でしたが、そこに分け入ってきたのがアメリカ発の配車サービス「Uber」です。
バングラデシュでもそれまで「タクシー」と言うものは存在していましたが、もともとタクシーというのはボロボロのエアコンのない車体、乗車前交渉は当たり前でありCNGとさほど変わらなく、暑いときには逆に苦しいものでした。
それが4年ほど前から、いくつかの大手タクシー会社がタクシー環境改善に乗り出し、主に黄色い車体でダッカ市内を走っていました。
運転席の裏には「もし運転手が悪い、チップを要求されたなどあれば是非ご連絡ください」などとボードがかかっており、それなりに信頼して任せられましたが、それでも運転手が「チップ」を要求する事がまん延したり、大回りなどがありフラストレーションも溜まっていました。
そこに来て2年ほど前からアメリカ発の「Uber」がバングラデシュでサービス開始。
当局より「白タク」と認知され、タクシー業界の反発もあるようですが、今のところサービスは継続しているようです。
私も早速使用してみました。
「Uber」というと事前にクレジットカードを登録し、料金支払いは不要な国が多いですが、バングラデシュではその場で現金で払うことができ、急にバングラデシュでUberを使う事になってもダウンロードし、すぐ使える状態です。
あとは自分の乗車希望位置(現在地)と、目的地を入力するだけ。
簡単です。
目安の金額が表示されてそれに了承すれば、近くにいる車も表示されます。
ドライバーには「レーティング」が表示され、優良なドライバーを自ら選ぶことができます。
私が使った場合は、携帯電話番号も登録していなかったため、ドライバーが私に電話したくてもできない状態でしたが、それでも迎えがきました。
初めてのUberであると、その降車時に「チップの要求」や「請求の割り増し」も想像できましたが、バングラデシュでは珍しいくらいに全くその話がありませんでした。
逆に降車時に「評価をGoodにしておいてくれ」と言われるくらいです。
これはバングラデシュ滞在が長い私にとっては「目から鱗」
この「レーティングシステム」、いわゆる「評価制度」というのは使用者や購入者にとっては、安全で確実なサービスを受けられ、大手タクシー会社の配車よりも信頼性がおけます。
日本のように、「どの金額を払っても、一定のサービスが受けられる国」というのは非常に少ないです。
そういう国でこそ、この「レーティングシステム」は非常に信頼性が高いものになることを感じました。
バングラデシュに慣れている方も、また市内での移動に困っている方も一度使ってみてください。
(まだバングラデシュ全土ではサービスが広がっていないため、主に『都市部』での利用をイメージください)