バングラデシュでも見られる韓国車攻勢
2016年4月26日
バングラデシュの首都ダッカ名物の「交通渋滞」
市内を縦断するメトロ鉄道が建設開始されたといえど、庶民の足は未だ「バス」がメインのダッカ市内の止まない渋滞に、バングラデシュ訪問時に辟易とされた方も多いと思います。
その中心になっていたのが日本車。
「バングラデシュを走る90%は日本車」と呼ばれてきた存在です。
しかし、最近街をみると様相が徐々に変わってきました。
数年前に比べ、明らかに「韓国車」が増えてきています。
「Hyundai」「KIA」と記された車が街を走っています。
またそれが随分と「見た目が良い」のです。
かつて日本は「家電製品大国」と呼ばれ、「SONY」「Panasonic」「HITACHI」「TOSHIBA」「SANYO」などの名ブランドが世界を凌駕してきました。
しかしご存知の通り官民一体の韓国企業「Sumsong」や「LG」に市場を奪われ、発展途上国エリアでも「日本ブランドは品質が良いけど値段が高すぎる。それより安価な韓国製品でも十分な品質を保っている」というイメージがすでに定着し、昨今の「SHARP」の鴻海傘下、「TOSHIBA」の不正経理、「SANYO」の消滅などの日本の電化製品業界崩壊を招いています。
そうなると、日本を代表するBtoC業界の両輪の一つ、本丸である「自動車産業」もウカウカしていられません。
自動車業界は先進国では飽和状態ですが、発展途上国ではまだまだ需要も大きく、バングラデシュでも例外ではありません。
そこに見て取れる「韓国製自動車」の攻勢。
その購入層に話を聞くと、家電業界と同様の理由「日本車より価格も安く、品質も悪くない」という返事が返ってきます。
結局、発展途上国の購買層にとって重要なのは「価格」であり、品質は「悪くなければOK」という考え方です。
日本の製品の品質管理は長年世界で信用を勝ち取ってきました。
しかし今現在熱気を帯びる購買層は、まだそのレベルの生活水準に届ていません。
バングラデシュがまさにそれに当てはまるのでしょう。
まだまだ我々の目に振れないBtoB業界においては優勢なところもあるかと思います。
しかし直接一般市民の目に入りやすいBtoC業界は、その派手さもあり、「国の勢いを見せつけてくれる存在」であると思います。
バングラデシュのような発展途上国で生活すると、日本とは違った「市場の流れ」というのを感じられることがあります。