バングラデシュにおける手食文化と「手で食べる方がおいしい」わけ。
バングラデシュに来訪して、一番「異国」を感じるところはどこか?
そういう事を尋ねると、やはり日本人にとって一番最初に印象的な事は「アザーン」「手食文化」が出てくるでしょう。
イスラム文化では欠かせない「アザーン(礼拝呼びかけ)」の声は、バングラデシュに降り立ってすぐに耳元に届く「異国文化」の象徴かもしれません。
細かく言えば、モスク(イスラム教礼拝所)などの内部では、より「異国文化的な礼拝」が行われていますが、非イスラム教徒では礼拝の状況を興味半分に覗き込むことは少し憚られる印象がありますが、「アザーン」に関しては、モスクに入らずとも、耳をふさごうが入ってくる「異国文化」です。
それと共に「手食文化」もそれに当たるでしょう。
「手食文化」自体は、決してバングラデシュなどのイスラム圏だけでなく、アフリカやオセアニア、東南アジアの一部も行っており、世界の中では「箸文化」よりよっぽどメジャーです。
「お客様を招く事」が多いバングラデシュでは、現地で知り合った方との食事の際や街中でも、この「手食」を頻繁に見かけます。
日本人にとっては決して行儀のよいものではない「手食」
最初は嫌悪感や、一種の罪悪感に近い感情、不潔なイメージが出てしまうかもしれませんが、是非一度「トライ」してみることもお勧めします。
一緒に卓を囲んでいるバングラデシュ人にとっては「我々の文化を受け入れようとしてくれている」と、一気に距離感が縮まることも請け合いです。
バングラデシュ人は決して「ナイフ・フォーク」が使えない方ではありません。
都市部では中華系料理店も多いので、箸での食事に慣れている方もいらっしゃいます。
なのに、あえて「手で食べる」
その理由に彼らは「手で食べる方がおいしい」という言い方をすることが多いです。
さて、日本人にとってはあまり馴染みがない、「手で食べる方がおいしい」という感覚。
本当でしょうか?
これは私見になりますが、実際バングラデシュではそう思うことがあります。
私自身、日本人として最近分かってきた「手で食べる方がおいしい」という感覚。
どちらかというと私にとって「鉄製品の味がするような気がする」という方が、良いかも知れません。
日本人である私に配慮して、様々な場所で「ナイフ・フォーク・スプーン」など出して下さりますが、なぜか若干「食器の味」がするような気がするのです。
私だけでしょうか?
一度気になり始めたら、なかなか払しょくできないその感覚。
それを元に考えると、結論的に「手で食べる方がおいしい」というところに至るのです。
もちろん副産物的な感覚で「バングラデシュの食べ物は骨が多くて食べにくい」というところも、手で食べるうえで「便利なところ」ではあると思います。
しかし、こと「おいしいか」という事になると、この「食器の味」がするような気がする、というのが大きいような気がします。
これはもしかしたらバングラデシュの「食器の材質」にも理由があるのかもしれません。
またバングラデシュという雰囲気の中で感じる「気のせい」の一種かも知れません。
もちろん日本の食器には感じたことのない感覚。
もしかしたら私と同じ感覚を持つ外国の方もいるかもしれません。
ゆえに私にとって ”バングラデシュにおいては「手で食べる方がおいしい」” というのが結論です。