バングラデシュのラマダン(断食月)とは?
バングラデシュを含め、イスラム各国では本日18日19日20日前後より2015年の「断食」が始まります。
すでにイスラム教を国教レベルで受け入れている国は中東を初めとしてたくさんありますが、いまから約1ヵ月それらの国は一気に「断食の期間」に入るという事です。
同じイスラム教でも国によって1~2日の前後はあるようで、バングラデシュでは6月19日(金)から始まることに決まりました。
これは本当に直前まで分からないもので、バングラデシュの場合は「National Moon Sighting committee」いわゆる「月を観察する委員会」が、新月を確認し適切な時期を話し合い決定されます。
さて断食なんですが、日本ではよく「ラマダン」と表現されます。
しかし「ラマダン」というのはイスラム暦(ヒジュラ暦)の「9月」という「「月の名前」意味が本来の意味であり、そこに「断食」という宗教的儀式が重なるため、「ラマダン=断食をする月」と捉えた方が適切でしょう。
この時期は世界全てのイスラム教徒が日の出から日没まで飲食を経つのが推奨され、敬虔なイスラム教徒では「唾さえも飲み込まない」という人もいます。
起源や動機に関しては諸説あり、「貧しい人の気持ちを分かるため」や「イスラム教創生期の苦難の追体験」など、人それぞれの解釈があるように思えますが、同時に「そういった習慣だから」という人も多いことは確かです。
この期間は断食に親しんでいない人から見ると「苦難の月」と思われますが、イスラム諸国の中に入ってみるとこの時期は逆に「聖なる期間」という印象の方が強いかもしれません。
「holy Ramadan(聖なるラマダン)」と言われるほど、街には「聖なる活気」が見えます。
毎日、日没後の最初の食事は「イフタール」と呼ばれ、その時間に向けて街のレストランでは屋外に出店を出し、また市場では定番のイフタール料理が並びます。
それを楽しみにしているイスラム教徒はとても多いです。
有名な話ですが「イスラム諸国では断食月の方が食料消費率が高い」という笑い話があるくらい、昼間の断食の反動で、夜間には多くの食べ物が消費されます。
この断食月が終われば、イスラム教徒最大の祝祭である「イード」が始まります。
「断食明けのイード」が盛り上がるのは、分かるような気がします。
さて我々日本人を初めとする非イスラム教徒ですが、この時期のイスラム諸国への訪問は少し気を使ったほうが良いかもしれません。
病人や妊婦、子供や肉体労働者、そして旅行者などは断食を行わなくて良いことになっていますが、街では多くの人が断食を行っています。
食事をする場合も、繁華街では「幕を張っていながら開店している店も多い」のでそれを発見しないといけません。
また暑いからと言って、そとで水を飲むのもあまり感心されないでしょう。
なるべく人目のつかないところで、そのような事は行っていただきたいものです。
「郷に入り手は郷に従え」であるので、イスラム諸国を訪問する際は、彼らの習慣を尊重して行動する事をお勧めします。