バングラデシュの現在の治安について
2016年8月22日
2016年7月1日未明に起きたダッカ市内に於ける「カフェ襲撃テロ事件」はバングラデシュに駐在員を置く我々にとっても大きな衝撃であり、悲しみにくれるニュースでした。
バングラデシュは親日的である、という事だけで今後のバングラデシュの治安を以前のように捉えるのは難しいのは確かです。
心の底では、「バングラデシュはみな親日的です。安心してください」と言いたいところですが、このような事件が起こってしまった以上、バングラデシュに長年携わってきた我々も考えを変え、いかに自分たちの身を守っていくか、という事を発信するのも義務であると考えました。
さてテロ後のバングラデシュ国内の様子ですが、治安当局は国内の危険人物への徹底的な摘発が起こっています。
この中には、もちろん当局による過剰な対応も含まれている可能性もありますが、とにかく現在は「手あたり次第」という印象を市民に及ぼすほどの状況です。
バングラデシュで携帯電話番号の国内SIMカードは比較的安価に入手できるものであり、一人で2枚も3枚も所有する人がいましたが、先日のテロ以前から新規SIM購入者はもちろん、既存のSIM購入者すべて(外国人含む)は指紋提出が必要になり、現在は有効に動くSIMが激減した、という情報もあります。
また国内情勢に伴い、バングラデシュ国内では何度かSkypeやWhatsapp、LINEやViberなどのインターネット通話アプリに制限がかけられたことがありました。
それを考慮すると、バングラデシュ当局は上記のような通信アプリに関しても制御ができる環境であると思われます。
(ただし上記のような通話アプリはそのテキストが暗号化されていることがほとんどなので、それを平文で読み解く事は難しいかと思われます。)
国の発展の為、海外の支援や投資を誘致したいバングラデシュ当局としては、今回のような「外国人を標的にしたテロ行為」というのが最優先に排除したい問題であると思われます。
その上で、当局の上記のような対策は「過剰である」という声も聞かれますが、容疑をかけられる対象でない限りは、取り締まりの強化は今後も望まれるところでしょう。
さてその上で我々のような外国人が今後このような事態に巻き込まれないためにどう行動すべきか、を下記に羅列いたします。
- 欧米人の出入りする飲食店およびマーケットなど民間施設への出入りを極力避ける。
(こちらのブログはオープンなブログですので、特定の店に関しての明言は避けますので、必要な場合は個別にお尋ねください) - 外出には極力、車もしくはレンタカーを使用する。
- 金曜日の行動は極力注意する。
(渋滞の多いバングラデシュに於いて金曜日は非常に動きやすい日ですが、ここまでのテロ行為をみると金曜発生が多いです) - 現地の文化を尊重した衣服、振る舞いを行う。
- 極力、同じルーティーンでの行動はとらない。
とても基本的な事ですが、再度このようなことを一つ一つ認識して、我々外国人はあくまで「バングラデシュ人の国にお邪魔している」という意識を再度認識するべきかと思います。