バングラデシュは昨日が祝日「Ashura(アシューラー)」
日曜日が出勤日のバングラデシュでも昨日の日曜日は「Ashura(アシューラー)」と呼ばれる祝日でした。
イスラム圏では金曜が祝日に当たるため、今週末は日本と同じ3連休になったという事です。
イスラム教には「スンニ派」と「シーア派」という2大派閥が存在します。
個人的には「スンニ派」というのはどちらかというと、イスラム教の習慣や決まりごとなどを守って行く事が重要視され、「シーア派」というのはどちらかというと「血統が重視」され、イスラム教預言者のムハンマドから続く血統を継いだ最高指導者の指示が重視されると理解しています。
世界の多くのイスラム教でも「シーア派」が多数を占めるのがイラン。
イラクに関しては「スンニ派」と「シーア派」が半々。
のこりはほとんど「スンニ派」というイメージです。
イランが大統領の上の地位として「宗教上の最高指導者」という存在があり、そこに重きを置かれているところから「シーア派」のイメージが分かりやすいと思います。
今回の祝日「Ashura(アシューラー)」もどちらかというと「スンニ派」よりも「シーア派」のイスラム教徒にとって強い意味があるようで、スンニ派の強いバングラデシュではさほど賑やかな祝日の様相を呈しなく、店が閉まっているくらいです。
「シーア派」にとっては預言者ムハンマドの孫「フセイン・アリー」が殉死した日であり、血統を重視したシーア派にとって大きな意味のある日というのが分かります。
人々はフサインの死を嘆き涙を流し、フセインの棺を模した棺が担ぎ出されたり、人によっては自分自身の身体に鞭打って、フセインの痛みを分かち合おうという人までいます。
イスラム教に「フセイン」という名前が多いのは、このフセイン・アリーの影響もあると思います。
バングラデシュはキリスト教、仏教、ヒンズー教の祝日も「国民の祝日」として祝う傾向にありますが、やはり90%をイスラム教に占められているこの国では、やはりイスラム教の祝日がもっとも感慨深い方が多いのでは、と思われます。