バングラデシュ主要4都市の市長選挙は野党支援候補の全勝
昨日6月15日、バングラデシュの「ラジシャヒ」「クルナ」「シレット」「ボリサル」という主要4都市で同時に市長選が行われ、野党BNP党が推す候補がすべて当選、与党アワミ・リーグの推す候補に全勝した、という結果が出ました。
バングラデシュはここでも何度もお話をした通り、少数政党はあるものの、歴史的にほぼ2大政党と言われる「アワミ・リーグ」と「BNP」という2大政党が選挙のたびに順に政権交代を行うという「2大政党」状態にあります。
今回の選挙でも、各4都市すべてで双方の推す候補者が名乗りを挙げましたが、4都市すべてで野党支援候補者の勝利という結果に終わりました。
昨今のバングラデシュ国内同行の不安定要素の原因にあるのが、今年末から来年初めのいずれかの日程で行われる「総選挙」
そのための権力の奪い合いが、昨今の国内情勢の不安定さの原因にあるといわれています。
もちろん野党BNP党は、与党アワミ・リーグに勝利を目指しているのですが、今回の4つの都市での勝利、またアワミ・リーグにとっての敗北は、総選挙の行方を見守るうえで重要な指針を示しました。
このように一応の民主主義民選選挙が行われるところが、バングラデシュの「民主主義」が生きている証拠である一方、双方にサポーターがいる以上なかなか政治の前進が見えないのも「民主主義が抱える前提」でもあります。
まだまだ政治的、文化的未熟さの残るバングラデシュでは、その双方の戦いが「議論」だけでなく、第三者を介した「暴力」につながることも多いですが、バングラデシュ独立40年たってもなお「国産み」の状態なのかもしれません。
もちろんこのような「国産み」の時期はどの国にも存在しました。
日本しかり、アメリカしかり、ロシアしかり、中国しかり。
どの国も、たくさんの困難を乗り越え、だんだんと成熟した論議ができるようになってきました。
バングラデシュも、かなり時間はかかっていますが「だんだんと良い方向に進むはずである」、という空気は感じ取れます。
日本人をはじめ在留外国人にとっては、それが「非難の対象」である事はありませんが、「ビジネス上」「安全上」の阻害要因である事は否めません。
身の安全の確保を行いながら、国生みのバングラデシュを見守っていくのもバングラデシュにかかわる外国人の「立ち位置」なのかもしれません。