ラマダンとバングラデシュ
2016年5月30日
「ラマダン」、いわゆる断食月が今年も始まります。
「ラマダン」というのは、「断食」を意味するものではなく、あくまで「イスラム暦の9月の名前」であり、「断食を行う月」と言った方が良いかも知れません。
この月に約一か月ほどイスラム教徒は、おおよそ「日の入りから日没」まで多くの人が飲食はおろか、敬虔なイスラム教徒は唾さえ飲み込まない絶食をしています。
イスラム暦は太陽暦のように「うるう年補正」を行わないため、西洋暦に対して毎年10~11日前後早まっていく傾向にあります。
この起源ですが、諸説あります。
「貧しい人の生活を体現するため」
「イスラム教布教時の苦難を追体験するため」
「世俗から離れ、神への献身と奉仕に尽くすため」
それぞれのイスラム教徒ごとに考えがあるのでしょう。
病人や妊婦、肉体労働者や外国人は断食をしなくてもよい、となっていますが、最近は子供たちも断食に挑戦している子たちも多いです。
我々外国人も、「断食しなくてもよい」と言われていますが、できる限り「人前での飲食は避けるように」心がけてください。
日没の断食明けの食事は「イフタール」と呼ばれます。
バングラデシュで伝統的なものは写真のようなもの。
グリーンチリやナスの揚げ物、ムリと呼ばれるポン菓子のようなお米を揚げたものやジラピと呼ばれる小麦粉の砂糖揚げなど、若干脂ぎったものが出されます。
外国人でも地元の方々に「お呼ばれ」することが多いと思います。
最近では「イフタール・ディナー」と呼ばれるセットメニューをレストランで出しているところも多く、そこでは普段とは違うスペシャルメニューが用意されています。
「ラマダン」と呼ばれる断食月は、決して「苦行」と考えられるネガティブなものではありません。
「ホーリー(神聖な)・ラマダン」と呼ばれるほど、イスラム教徒にとっては「神聖な月」と位置づけられているものです。