Monthly Archives: August 2024
バングラデシュの事業活動は、政変後、天才もありまだ軌道に戻っていないとの事です。
2024年8月30日 バングラデシュのビジネスマンによると、国内各地で発生した洪水、最近の全国的な政変の影響、そして根強いインフレ圧力により、ビジネス活動は軌道に戻らないでいるとの事です。 ビジネスマンによると、不確実性と恐怖が人々の心を曇らせているため、買い物には興味がないという話です。 しかし、彼らはビジネス活動が徐々に正常に戻ると信じており、より良い日を待つ以外に選択肢はないと述べた。 「学生運動に起因する数か月に及ぶ政情不安と最近の洪水により、売上と需要は不十分なレベルにまで落ち込んだ。そのため、企業は困難な時期に耐えている」と、大手鉄鋼メーカーBSRMの副社長タパン・セングプタ氏は述べました。 彼は、建設資材の売上は通常雨期に減少し、モンスーン期には鉄鋼の需要が大幅に減少すると述べました。 「しかし、さまざまな要素が出現し、ほぼすべてのセクターでビジネスを妨げている現状です。」 顧客やディーラーからの需要が大幅に減少したため、BSRMは在庫品の積み上げを避けるため生産ユニットを部分的にしか稼働させていないと同氏は語りました。 消費者の信頼が回復し、開発プロジェクトが再開されるまで、売上は改善しないだろう、と同氏は述べました。 バーガー・ペイント・バングラデシュのマネージング・ディレクター、ルパリ・チョウドリー氏は、国内での消費量の多い消費財や建設資材は昨年から大幅に減少していると述べました。 「最近の騒乱がこれに拍車をかけ、ビジネスの成長には不利だ」と同氏は述べました。 消費者は現状では必需品以外の製品にお金を使うことに興味がない、と同氏は指摘しました。 外国投資家商工会議所(FICCI)の元会長でもあるチョウドリー氏は、すべての多国籍企業が同じ状況に直面していると述べました。 「政変や最近の洪水により経済は好調ではなく、人々は最近の混乱から精神的にまだ回復していない」とチョウドリー氏は述べました。 「つまり、企業は移行期を迎えている。その結果、事業活動が妨げられている」 バタ・シュー・カンパニー(バングラデシュ)のディレクター(小売)であるアルファヌル・ホク氏は、今年に入ってから店舗への客足が鈍っていると述べました。 同氏は、高いインフレ圧力が売上減少の根本的な原因であると述べました。 バングラデシュ統計局によると、インフレ率は今年7月に11.66%に達し、少なくとも13年ぶりの高水準となりました。一方、食品インフレ率は14.1%と少なくとも10年ぶりの高水準に急上昇しました。 「その後、騒乱と鉄砲水が状況を悪化させた」と同氏は述べた。 しかし、ホク氏は、政治情勢がより安定するにつれて、状況は徐々に改善すると考えている。 詳しい記事はこちら
バングラデシュでは、ノーベル賞受賞者ムハンマド・ユヌス教授を首班とした暫定政権が発足
2024年8月9日 バングラデシュでは火曜日遅くにムハンマド・シャハブディン大統領によって暫定政府の首席顧問に任命されたムハンマド・ユヌス教授は本日早朝、滞在中のパリから帰国しました。 反差別学生運動の主要メンバーであるナヒド・イスラム氏とアシフ・マフムド氏も、16人の暫定政権に入ります。 発表された暫定政権のメンバーは次のとおりです。 シェダ・リズワナ・ハサン女史、BELA(バングラデシュ環境法律家連盟)最高経営責任者。 ファリダ・アクタル女史、女性の権利活動家 アディルル・ラーマン・カーン氏、人権団体オディカールの創設者。 AFMハリド・ホセイン氏、 イスラム学者 ヌルジャハーン・ベグム女史、グラミンテレコム評議員。 シャミーン・ムルシッド女史、選挙監視グループCEO。 ファルク・イー・アザム・ビル・プラティク氏、独立戦争戦士 ナヒド・イスラム氏 ダッカ大学生 反差別学生組織リーダー アシフ・マフムッド氏 ダッカ大学生 反差別学生組織リーダー サレフディン・アハメド氏、元バングラデシュ中央銀行総裁。 アシフ・ナズルル教授、ダッカ大学法学部教授 AFハッサン・アリフ氏、元司法長官及びファクルディン・アハメド暫定政権顧問。 M・サカワワット・ホセイン准将(退役)、 元バングラデシュ選挙管理委員 スプラディップ・チャクマ氏 チッタゴン丘陵地帯開発委員会会長 ビダン・ランジャン・ロイ教授 国立精神衛生研究所・病院精神科所長 トゥヒド・ホセイン氏 元外務大臣。 以上、16名です。 詳しい記事はこちら
今回のバングラデシュ政権崩壊は「軍のクーデター」でも「イスラム主義勢力台頭」でもない
2024年8月7日 今回、バングラデシュで起こった政変は、同日におきた「日経平均株価大暴落」のニュースの陰に隠れてしまい認知されにくい状況でしたが、日本でも1日をおいて徐々に報道で取り上げられ始めました。 そのニュースを一通り見たうえでですが、一部の報道に於いて「この捉え方は違うのでは?」と思った点があります。 バングラデシュは日本では一般的にさほど認知度の高い国ではないため、この誤解はしょうがない所がありますが、後追い報道がなく誤解のままでは今後のバングラデシュの見方が変わる懸念もありますので、一度整理したいと思います。 それは以下の3点です。 今回は「軍によるクーデターによる軍事政権樹立」ではない事。 イスラム主義勢力の台頭ではない事 野党が勝利したわけではない事。 まず第一番目、「軍によるクーデターによる軍事政権樹立」ではない事です。 「ハシナ政権が崩壊後、軍による暫定政権が発足の予定」と報道されると、今回のデモの前後を知らない一部の方には、「軍によるクーデターが起こり、軍事政権樹立」と考えられる方もいるかと思います。 これは全くの誤解です。 今回の政権崩壊は「軍によるクーデター」ではありません。 「市民デモの過激化」による国内混乱に収まりが見えず、ハシナ首相も辞任したため、公平な立場として軍のトップが前面に出て「いったん落ち着きましょう」という事を表明しただけです。 今後発足される暫定政権を軍がリードし軍事政権化するわけではなく、大統領により議会が解散が宣言されたため、今後総選挙が行われます。 もちろん選挙なので軍関係者が立候補することもできますので、結果的に「軍関係者の多い政権が発足する可能性」がないわけではないですが、あくまで「選挙」が行われたうえでの結果ですので、「政権を軍が強奪する」という状況ではありません。 では「選挙が誠実に行われるか?」に関してですが、現在「権力を持つ政権与党がない状態」であるため、「不正的な選挙」を行おうともできず、一歩間違えばまた「国内動乱の可能性」もあるので、「暫定政権下で極めて公平に行われることを前面に出して行われる」と予想されますし、実際そのようになる事を強く望みます。 第二としては「イスラム主義勢力の台頭ではない事」という事です。 一部の報道では「イスラム主義政党が次期政権を担うと、イスラム主義が加速し、日本との距離が遠ざかるのでは?」という報道もありましたが、これもおそらくないと思われます。 イスラム教になじみのない日本ですので、イスラム教の国でクーデターが起こると「すわ、イスラム教原理主義か?」と思われがちですが、そうではありません。 確かにバングラデシュの国教はイスラム教であり、イスラム教に対して真摯的ですが、実情は極めて世俗的です。 今回の政権転覆は、イスラム原理勢力の政権奪還では全くありません。 上記に挙げた通り、「市民デモの過激化による政権崩壊」です。 それでは、次期政権がどうなるのか? 近年のハシナ政権(与党アワミリーグ)の下では、国会議席をとっておらず、弱体化は指摘されていますが、おそらくバングラデシュ国内での第二勢力は「BNP党(バングラデシュ民族主義党)」だと思われます。 次期選挙で、BNP党が政権を担うのかは全く分かりませんが、「BNP党=イスラム原理主義政党」ではありません。 バングラデシュでは「Jamaat-e-Islami党」のように、イスラム主義を前面に押す党もありますが、政権首班になるほどの勢力はもっていません。 第三に「野党の勝利ではない事」です。 今回の学生デモは、先ほど挙げたBNP党が先導したわけでもなく(最終的に学生デモから発展した反政府デモに対しては、BNP党支持者が多く参加したとは思われますが。。。)、BNP党が「勝利宣言」したとしても、学生デモ側は「いや、BNP党を支持したわけではないんだけど??」となるように思われます。 またイラク戦争時の「フセイン像」を倒す場面が象徴的場面になったように、今回もハシナ首相の実父であり、建国の父である「ムジブ・ラーマン初代大統領」の像を倒す映像も出ていましたが、これも冷静な国民からは「今回のデモに関係ないのになんで??」というマークが頭に出たと思います。 (現地大手新聞デイリースター紙でも、「(いくらハシナ首相の実父であっても)ムジブル・ラーマン初代大統領が当時のパキスタン政権に対する解放戦争に貢献したことを忘れてはなりません)とキャプションが付けられています) 一義的な勝利者としては、「就職機会の公平性を少しでも改善させた学生デモ側」でしょう。 しかし、今回のデモの発端となった学生デモ組織も、特定政党に肩入れした行為ではないため、次期政権の首班がどうなるのかは見えないところです。 とにかく現地では「市民の力で政権を倒した」という興奮の中、政権崩壊により行政が機能していないため、警察や治安部隊も自らの動きに責任が取れず、動きが取りにくい状況の様であり、それに伴う「略奪」や「破壊行為」が行われているところもあり、新聞では「落ち着くように」「破壊行為はおかしい」という論評も出ています。 とにかくまずは早く暫定政権が発足され、「治安の維持」が行われることを望みます。 詳しい記事はこちら
バングラデシュでは大統領が現議会の解散と暫定政権発足、速やかな総選挙実施を宣言
2024年8月6日 バングラデシュのムハンマド・シャハブディン大統領は、8月5日月曜日の午後11時15分過ぎにバングラデシュ国民向けの演説の中で、「迅速な選挙を促進するために議会の解散と暫定政府の樹立」を宣言しました。 ムハンマド・シャハブディン大統領は演説の中で、その夜バングラデシュ大統領官邸で開催された最大野党BNPを含む政党との会合を強調しました。 ムハンマド・シャハブディン大統領は暫定政府をできるだけ早く樹立し、法律に従って現在の議会を解散すると述べました。 ムハンマド・シャハブディン大統領はまた、現在保釈中の元首相であるBNP党カレダ・ジア議長の解任が全会一致で決定されたことも明らかにしました。 シェイク・ハシナ首相が辞任してバングラデシュを出国し、彼女の16年間の統治に終止符を打った直後に下されました。 詳しい記事はこちら
バングラデシュでの学生デモは、約1カ月で首相の退陣にまで発展しました。
2024年8月6日 日本の報道でも取り上げられているように、バングラデシュでは昨日、「現職ハシナ首相が辞任、国外へ脱出」という事態になりました。 すぐにバングラデシュ軍トップが「次の政治体制が確立するまで暫定政権を組織する」と発表しました。 7月1日、バングラデシュ高裁が出した「バングラデシュ独立戦争英雄子孫への公務員採用優遇枠撤廃は違憲」という判決に端を発したデモは、当初穏やかに始まったものの、治安部隊によるデモ鎮圧の中で被害者が出た報道をきっかけにして、徐々にヒートアップ。 報道をきっかけに全国の大学を中心に学生たちのデモが広がっていき、やがてハシナ首相政府に不満を持つ国民も合流して、バングラデシュ全土でデモ参加者、鎮圧側双方に死傷者を出す事態に発展。 7月末に、デモのきっかけになった「バングラデシュ独立戦争英雄子孫への公務員採用優遇枠」を縮小させる判決をバングラデシュ最高裁が出したことにより、一次鎮静化を見せると思われましたが、その週末にデモは「ハシナ首相退陣」を一転要求に絞り再発。 週末だけで多くの死傷者を出す、さらに激しいデモに発展し、結局8/5日の月曜日にはデモ隊が首相公邸に押し掛けるという動きも見せたため、ハシナ首相が辞任表明、そのまま国外に脱出、という流れになりました。 基本的に私たちは「バングラデシュの事は、バングラデシュ人が決めるので、軽々に批評できない」という考えですので、今回の双方の主張にも全く批評する考えは持っておりません。 ただ近年の選挙が正常だったかの判断はありますが、2006~7年まではバングラデシュでも「選挙による政権交代」が実現してきた国ですので、本来は国民の意思を「正常な環境下での選挙」という形で実現出来たら、このような多くの死傷者を生まなくて済んだと思うと、残念でなりません。 バングラデシュでは大統領が「議会と政府が対立して政治的混乱が起きた際は、議会を解散して暫定政府を発足させる権限」を持ちますので、このまま「議会の解散、総選挙へ。 正式な政権が発足するまでは暫定政権による行政執行」となると思われます。 とにかく今回のハシナ首相退陣に依って、「国民の過度なヒートアップ」が収まる事を期待するしかありません。 詳しい記事はこちら