バングラデシュと中国との未来志向的協力関係
「中国離れ」が叫ばれている日本ですが、未だ離れがたい市場が存在するのが中国。
バングラデシュでは、また日本とは違った視点で中国を捉えています。
たとえば現与党「アワミリーグ党」と最大野党「BNP党」では、対インド構想において正反対の対応を見せますが、対中国では共に「近づいて行きたい」という姿勢を見せています。
日本にとって中国と言うのは、平均的な生活水準は上がっているもののまだまだ一人当たりGNPでは差があるため、国単位では大きな脅威ではあるものの、個々の意識の上ではさほどではありません。
しかしことバングラデシュにおいては中国は個人レベルの生活レベルも上、人口も上、軍事力および発言力も上と言う中で、まだまだ中国に対して大きな魅力を感じています。
中国では習近平総書記を中心とする政治局常務委員の共産党指導体制が始まりましたが、来年には国家主席の交代も待ち受けていて、外交的にも本格的に習近平体制が始まります。
中国の経済成長率は鈍化しているものの、習総書記は人民の人心掌握の為か、さっそく政治腐敗の除去を始め人民のモチベーションの維持を計っています。
近くライバルになるであろう対インドへの警戒心もありバングラデシュに対しては経済的、政治的に緊密になっておきたい事情もあります。
ここに両国の思惑が合致するのです。
自国の経済鈍化傾向を如実に感じている中国当局は、世界的な「経済力はおちても政治力維持は図って行きたい」との構想を持っていると思われます。
その中で成長著しい東南アジアおよび南アジアの小国にはこれまで以上の援助や進出を計って来ると思われます。
総選挙を迎える中「日本再生」が叫ばれていますが、それでもグローバル社会である世界とのつながりを無視しながらの日本再生はあり得ません。
政・産・学すべての分野で日本も世界的視野を保ちながら行動していくべきでしょう。