バングラデシュのイスラム教は危険か?
先日のアルジェリアにおける人質拘束事件で、なんどか日本から「イスラム国であるバングラデシュの安全性はどうなのか?」という話を受けます。
たしかにバングラデシュはその人口の90%をイスラム教徒が占めるイスラム国に当たります。
もともと英国領インドからの独立時に、イスラム地域とヒンズー地域でインドおよび東西パキスタンとして独立した経緯からもうかがえます。
しかしイスラム国とは言え、世界各地に12億程度存在する比較的普遍的な宗教です。
ですので、大まかに国ごとに分けたとしても各国でのその温度差は大きい所があります。
イスラム教では「守られている存在」である女性に対する扱いでだいたいイメージができると思います。
例えばイスラム教の聖地を抱えるサウジアラビアはどちらかと言えば厳格なイメージがあり、なかなか外国人女性は自由に旅行がしにくい国です。
イスラム革命で立国したイランも厳格な国の一つでしょう。
いっぽう観光立国として有名なドバイを抱えるアラブ首長国連邦はイスラム国であってもかなり寛容な国です。
マレーシアやインドネシアもイスラム教のイメージすらわかない方もいるのではないかと思われるくらい柔らかいイメージです。
女性に人気のバリもインドネシアです。
バングラデシュはどちらかと言うと日本人の生活には無理がないイスラム国に当たる国に入ると思います。
イスラム教の教えと共に、この国の習慣とまじりあっているのがその理由かと思われます。
今回の人質事件でも犯人グループとされているのは、あくまで「原理主義組織」
しかも今回の事件はアルジェリアの隣国マリでの内戦をきっかけとしていますので、テレビ報道では「イスラム系武装組織」と出ていますが、内戦相手もイスラム系でありますので「宗教は関係なくただの武装組織」と理解した方が良さそうな気がします。
報道の刷り込みにより「「イスラム=危険」と位置づけられてしまうのはいささかイスラム教徒には気の毒かと思います。
さきほど「厳格なイスラム国」として上げたサウジアラビアも実はアメリカと大の仲良し。
イランもアメリカ寄りの報道ではテロ支援国家ですが、実際はそこまで危険なわけでなく、ただアメリカ嫌いなのが際だっているだけだと思われます。
日本人には馴染みのないイスラム教。
ただ単に「イスラム=危険」とするのは偏見も大きいのかと思います。