またしてもバングラデシュ首都ダッカでビル火災被害、今回は外国人の多い地域。
2019年3月29日
先日、こちらのブログにて「バングラデシュの下町、オールドダッカで火事、70名以上の死者」という類の記事を上げましたが、またしても昨日よりバングラデシュ首都ダッカのビジネス街ボナニ地区にある高層ビルから火災が発生、多くの死傷者が発生、ビル内部の状況に依れば被害者数は更に増加の可能性も、との報道です。
火災自体は昨日夜7時頃に鎮火した、という情報もあります。
該当ビルの所在地ボナニ地区は、隣接するグルシャン地区およびバリダラ地区を含め、外国人の往来も多く、当該ビルには日系企業も入居していたようです。
ボナニ地区の大通り、カマル・アタトゥルク通りに面したこのビルの周りは、ダッカで有数の高層ビル街であり、何よりも隣接するグルシャン、バリダラ地区よりも隣り合うビル同士が写真のようにかなり接近しています。
先日のオールドダッカのアパート火災同様、一度火が上がってしまえば、避難経路の確保が難しく、高層階に取り残された場合、外に出られない状況が出来てしまいます。
今回の火災被害のビルですが、1階に美味しいハンバーガー屋さんがある事で私自体も何度も訪れたことのあるビルであると思われます。
今回の火災の発火元は、そこではなく6階にあるオフィスではないか?との推測もあります。
現地新聞報道では、ダッカの数ある高層ビルと同様「避難経路なし」「当初の建築許可から勝手に増築」と、普段の使用者にはうかがい知れない内情が報道されはじめ、また担当消防局は「このビルを含め、隣接するビル群オーナーには何度となく火災対応の警告を出していたが、誰も対応してこなかった」というコメントも出しています。
まだ原因究明まで至っておりませんが、バングラデシュに長年かかわる我々からしたら残念ながら「またか。。。」という状況です。
「安全確保を担保せず、入居者獲得にやっきになるビルオーナー」「防災チェックを徹底指導できなかった、やらなかった当局」、そして「その裏事情を知らない多くの使用者が被害者に」という構図です。
胸が痛い限りです。
こうなると我々が出来ることは、「防災上危険のありそうな建物には近づかない」「来訪理由があっても長居しない」「短期来訪であっても、避難経路の確認だけはしておく」という繰り返ししかありません。
また先日のダッカ下町での火災のように、ダッカ市内で駐在する場合も「高層アパートでは、鉄格子による防犯対策がある」というのも、逆に脱出経路確保には障害があります。
これも、ビルオーナーと話し合い、しっかりとした安全経路確保の情報を得ておかなければならないでしょう。
ダッカはバングラデシュ最大だけでなく、世界でも有数の人口過密都市であり、高層ビルへの来訪、居住機会が多いです。
火事も頻繁におきますが、たびたび「地震」もあるのがバングラデシュの怖い所です。
口を酸っぱく言いますが、「安全確保」につとめ、今回の被害者がより大規模にならない事を祈ります。