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バングラデシュのビリヤニ
今日はバングラデシュの食事の話題を一つ。 日本人にはなじみのない「バングラデシュ料理」ですが、イメージに近いのが隣国「インド料理」かと思います。 やはりカレーが中心のスパイスの効いた料理でしょう。 しかしインドと違うのは牛肉を食べる事が出来るところ。 日本のような「口の中でとろけるような牛肉」などにはあり付けませんが、バングラデシュでは筋骨隆々な硬い硬い牛肉が味わう事が出来ます。 さらに今日紹介したいのが「ビリヤニ」という食べモノです。 「焼き飯」に似た食べモノですが、「炊き込みご飯」といった方が正しいのかもしれません。 マトンやチキン、ビーフなどと炊きこまれた香ばしいビリヤニがバングラデシュでは全土で味わえます。 ビリヤニ自体は南アジアから中東、東南アジアにも流通する食べモノですが、各国で味付けが違うのでそれぞれ食べ比べても面白いでしょう。 なかなかベンガル料理に馴染みのない外国人でも「それなりに口に合う」と言われているのがビリヤニ。 ぜひ現地では一度、お試しください。
バングラデシュの航空会社
日本のナショナルフラッグは「日本航空」です。 ではバングラデシュは?というと「ビーマン・バングラデシュ航空」がそれに当たります。 数年前までは成田空港とも直行便を就航させていたこともありましたが、最近ではそれもなく、比較的安価な航空運賃から「バックパッカー御用達の飛行機会社」という認識も多いと思います。 現在バングラデシュではこのビーマンバングラデシュ航空と共に「GMGエアラインズ」「ユナイテッドエアラインズ」が国内、または近距離の海外とも路線を結んでいます。 もう1社あったように思えますが、失念してしまったので申し訳ありません。 しかしバングラデシュの航空会社に共通する認識が「スケジュール変更」です。 航空管制局が悪いのか、はたまた機体を多く持っていないために起こる遅延なのか分かりませんが、スケジュールが変更する事がたびたびあります。 やはり国内就航に多いようです。 基本的にこのような国での国内就航は「飛行機の折り返し運航」が多いです。 最終便になると遅延が多くなるのが多いので、同じ路線の中で何度も就航する時間帯がある場合は「なるべく早く乗っておく」のが常套手段でしょう。 バングラデシュと言えでも首都ダッカだけでなくチッタゴンやコックスバザールのように外国人が訪れるだろう場所がいくつかあります。 陸上輸送がインフラ整備の悪さで移動が辛い分、このような航空便にたよる外国人も多いですが、このスケジュール変更には注意して頂きたいところです。
ダッカの治安
海外での生活の上でどうしても気になるのが「治安」です。 バングラデシュに駐在する外国人ビジネスマンが生活の拠点とする事の多い首都ダッカを考えてみましょう。 個人的には様々な国を訪れましたが「ダッカの治安は悪くない」という感覚を持っています。 決して「治安が良い」とは言わずに「悪くない」です。 やはり治安が最高な日本人にとってはほとんどの国が「自国より治安が悪い」となってしまうので、ここでは「悪くない」という言い方をしました。 最近は外国人を狙った「ひったくり」も頻繁になってきたという話も聞きますが、日常生活において「生命の危険を感じるような恐怖」というのはあまりないように思われます。 ダッカに比べれば逆にアメリカのロサンゼルスやシカゴなどの方がよっぽど危険な空気をかんじます。 南米などではなおさらです。 外国人が居住するレベルのアパートにはだいたいがガードマンが雇われていて24時間の監視があります。 また場所によっては「区画自体がゲートでとじられる」という所もあります。 1000万人を超す人口を抱えるダッカですから多少なりの危険はありますが、総合的に穏やかな治安状況だと言う事をイメージして下さって良いと思います。
バングラデシュ進出の弊害
バングラデシュに進出する企業にとって深刻な弊害となるのが、様々な政府関係の業務腐敗であると思われます。 先日、バングラデシュでは政府、中央銀行、銀行大手のソナリ銀行を介した大規模な金融詐欺が発覚し揺れています。 もちろんバングラデシュに進出する会社にとっては蚊帳の外の話だとは思いますが、進出企業にも「小規模な行政腐敗」は影響します。 未だバングラデシュでは行政の事務処理のほとんどが「紙ベース」で行われているところも多く、また省庁を跨いだ共通したデータベースが存在しないため、都度その省庁に足を運び申し出、登録をしなければなりません。 また紙ベースで行われている業務は、かなりの時間をロスし、「拙速な仕事」に慣れている日本人からしたらストレスフルな業務遅延が多く見られます。 その中で暗躍するのが「スピードマネー」と呼ばれる一種の裏金です。 行政担当官に「スピードマネー」と呼ばれる裏金を渡し、自らの仕事を行ってもらわないと何時まで経っても仕事が進んでいきません。 また行政官もそれを目的に仕事をしている人も多く、人によっては「自ら求める」事も多いです。 私たちも大っぴらに自慢する事ではありませんが、様々な登記事項にこの「スピードマネー」を払っています。 そうでないと仕事が前に進まないからです。 この金額はもちろん「定価」などございません。 人のコミュニケーションから発生されるものであり、なかなかはっきりした金額も申し上げにくいものでありますが、こういった「裏のバングラデシュ」を含めてバングラデシュを知ることが、事業を円滑に進めるコツの一つなのかもしれません。 決して誇るべき事ではないのは今一度宣言しておきます。
バングラデシュでのビジネスの秘訣 ~その3~
バングラデシュでのビジネスにおいてかなり強力なアドバンテージと言えるのが「親日的感情」でしょう。 これはバングラデシュでのビジネスにおいて考えられる数々の不利益と相殺しても余りある財産かと思います。 日本の一般の方はバングラデシュというとあまり馴染みもなく、「日本と似た国旗があったなぁ」ぐらいにしか知識が無いのかもしれません。 しかしこれまで日本が行ってきたODA、そして青年海外協力隊をはじめとするボランティアの草の根交流はこの国に大きな成果をもたらしています。 かつて中国などに多額のODAを融資していたにもかかわらず「日本敵視政策」を垣間見た国民感情にも「ODAは無駄金」という意識があるかと思いますが、それは逆に「中国は例外」と捉えた方が良いかと思います。 バングラデシュやその他のODA融資国は一様に日本に対して「最高の援助国」として親日的感情が育っています。 それはやはり「多額の援助のおかげ」という考えもありますが、まだまだ日本の投資家は他国に比べ少ないにも関わらず新聞紙上に「日本」の文字が踊らない日はないほどです。 外国でビジネスを行う外国人にとって、仕事以外の日ごろの交流で「肩身の狭い思いをする」ほど苦しい思いはありません。 しかしことバングラデシュにおいては「日本」という国に対して「一種のあこがれと共に、最大級の好感」をもって対応してくれます。 これはビジネスシーンにおいてもいかんなく発揮されます。 現在進出している日本の企業化、投資家の方達も一様に「バングラデシュのインフラ設備はまだまだ不満が多いが、国民感情はとても良い」」というのが共通認識でしょう。 一度バングラデシュを訪れて下さい。 事あるごとに感じる事が出来るでしょう。
バングラデシュでのビジネスの秘訣 ~その2~
バングラデシュの投資メリットの一つに 「人的資源の豊富さ」があります。 左がバングラデシュの人口ピラミッドになります。 少子高齢化が著しい日本に比べバングラデシュは「将来性豊かな青年層が社会の大部分を占め、理想的な人口ピラミッドを描いている」と言えます。 これは中国の一人っ子政策のようないびつな人口統制を敷いてしまうとなかなか実現不可能な形です。 左の資料が中国の人口ピラミッドです。 中国の一人っ子政策の開始が1979年に始まっています。 2010年の表でいうと31歳の部分からになるのですが、見事に減少しています。 20代が急に増えていますが、親世代に当たる40代世代の人口が多いので、その影響でしょう。 バングラデシュの持つポテンシャルの一つがこの青年層主体の理想的な社会であり、今後のバングラデシュの発展の大きな指針になると思われます。 現在は労働市場ですが、中間層の高まりと共にこの人口は「巨大な消費マーケット」に転じる可能性を秘めています。
バングラデシュでのビジネスの秘訣 ~その1~
バングラデシュでのビジネスには大きく分けて2つあります。 「生産拠点にするか?」「消費市場にするか?」です。 現在、ホンダ社の「消費市場を見据えた生産拠点設置」が話題に上がりましたが、やはり現在でも大きく日本が関係してくるのが「生産拠点」としてのバングラデシュの位置づけです。 この分野に関してのバングラデシュの優位性は ・人件費の安さ ・豊富な人的資源 ・親日的感情 でしょう。 まず「人件費の安さ」ですが、現在バングラデシュでは急激な「インフレ」の状態にありますが、まだまだ他国に比べ「人件費の安さ」=「労働コストの低さ」が目立ちます。 この原因として「人口」ともリンクしていますが、やはりこの「人件費の安さ」は、世界で最も人件費の高い国である日本からしたら大きな魅力でしょう。 たとえば現在中国の最高学府である「北京大学」や「清華大学」の卒業生を企業に向かえるとしたら、現地企業であるとしても月額10万円を超える人件費を想定しなければいけないでしょう。 それにくらべバングラデシュの最高学府である「ダッカ大学卒業生」を現地企業に迎える場合は、もちろんその人材の力量に依りますが、初任給としてその3分の1~5分の1くらいを想定しても良いでしょう。 この人件費は年々値上がりはしていくと思われますが、他国との比較の上での「相対的な賃金の安さ」はまだまだ続くと思われます。
ホンダ社のバングラデシュ製造・販売拠点設置
日本のホンダ、ホンダ技研工業株式会社が二輪製造でバングラデシュ市場に参入すると言う記事が、バングラデシュでも踊りました。
バングラデシュビジネスで最初に想定する事。
バングラデシュでのビジネスの肝と言われるところはどこでしょう? やはりバングラデシュの圧倒的な人的資源が多いと思います。 現在インフレ化でバングラデシュでも人権費が上がっていますが、それでも他国と比べると「人的費用に関してビジネス懸念は少ない」と言わざるを得ないでしょう。 かといって安い費用で、それなりの労働力なのか?と言ったら違います。 先進国からの新しい技術さえ入り込めば、大きな戦力になるには間違いない潜在能力を有しています。 まずバングラデシュでのビジネス展開を考える時「人的資源をどのように効果的に利用するか」がスタートでしょう。
ムハマド・ユヌス氏
バングラデシュが誇るノーベル賞受賞者、ムハマド・ユヌス氏です。 2006年にユヌス氏がノーベル平和賞を受けたことで「バングラデシュ」という国が一時期世界の注目を集めました。 ユヌス氏の受賞理由は「マイクロクレジットの創設」です。 簡単に説明すると「マイクロクレジット」とは、担保が確保できないなどの理由で、通常の金融機関では融資を受けられないほどの貧困層に小額の融資を貸付け、商売する機会を与えさせ貧困層から脱出させる事に成功した画期的な事業と言われています。 しかし問題なのはその貸付金の返還。 そんな貧困層に融資を行い、ちゃんと返済があるのかというと90%近い返済率を誇ると言うのです。 これは借りる方達もグループでの融資を受け、返済もグループでの連帯責任が問われます。 これが特徴と言われていますが、こんな事で返済率が高まるのか?と言うと他にもあるようです。 ユヌス氏の長年の研究から「女性の返済率は高く、貸し倒れ損失が生まれにくい」という確信により、女性グループを中心とした貸付になっています。 また「女性はその収入を、家族の為に使う事が多い」という事も研究で得ていたようで、それにより家族の収入向上と共に、家族内での女性の地位向上も生まれました。 この貸付方法は成功をおさめ、一程度の家庭の貧困からの脱出が認められ、現在では多くの国や機関で同等のマイクロ・クレジットが行われています。 もちろん良い事も生まれますが、悪い事も生まれます。 マイクロクレジットの普及と共に様々な期間が行ってきましたが、「返済率が高い」といってもやはり返済に困窮している所もあります。 返済遅延はグループ全体での責任ですから、気に病んで自殺してしまう家庭も他国では出てきました。 またユヌス氏自身の事です。 ノーベル賞受賞と共に、いわゆる「国の英雄」となったモハマド・ユヌス氏は、現政権を含む全ての政治家の「目の上のたんこぶ」という存在になっています。 国民から高い支持を得ているユヌス氏と、何時まで経っても子供じみた政権維持・奪取を計るバングラデシュの政治家。 こんな恨みを買うのはお門違いだと思いますが、それがこの国の現実です。 「すべての障害が取り払われ成功を収める」と言う事はどんな事業でも難しい事であれ、すこしでもそれに近づくような未来が待っていると良いのですが。